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About

絵本の街ボローニャに住んでいます。


夫、ブロークンイングリッシュを話すイタリア人。私、京都弁育ちの日英バイリンガル、イタリア語は中級。普段の夫婦の会話はイタリア語中心、時々英語。

2020年、そんな私たちの元に息子が生まれました。彼にはイタリアで生まれ育ちながらも日本語だって覚えてほしくて、私からはなるべく日本語で語りかけています。

バイリンガル教育さえまだ試行錯誤の段階だけど、もともと手持ちの絵本に英語も多かったこともあり、まだ息子が言葉もわからなかった0歳のときから3カ国語で絵本の読み聞かせています。その記録を、時折日々のできごとも織り交ぜてこのブログに綴っていこうと思います。

日本の絵本は手持ちのものが少ないためイタリア語か英語の絵本の掲載がほとんどとなるかもしれませんが、同じものが日本語や少なくとも英語で出版されている場合はそちらのタイトルもご紹介するつもりです。

もう少し詳しい自己紹介

私自身母親になる前から絵本が大好きで、多言語読み聞かせの取り組みにも興味をもっていました。母校ボローニャ大学の修士論文(Cultural Economics)では、この街で毎年開催される国際絵本見本市を中心としたネットワーク論等を軸に子どもの読書文化と児童書の市場を発展させるための手がかりについて論じました。

30代で大学院生になる前は、7年間国際協力の仕事に専念し世界を飛び回っていました。公私にわたり40ヵ国あまりを訪れた記録を写真に残し、こちらのサイトに公開しています。

読書も好きだけど、文章を書くことも好き。イタリア在住の視点からこちらのイタリア情報サイトに寄稿もしています。

ブログを書くのは初めてのことですが、当ブログが絵本が好きな人、子育て中の人、多言語教育や海外での子育てに関心のある人等との交流の場になれば嬉しいです

なお、ブログ上のコメント欄は設けていません。ご連絡等は当ブログのお問い合わせフォーム(画面右上のハンバーガーメニュー内)、またはインスタグラムのメッセージ機能をご利用ください。

どうぞよろしくお願いいたします。

ブログ運営者 Yasue




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ママ、早く読んで!もっと読んで!

早いもので今年も師走に入りました。前の記事から半年以上もあいてしまいましたが、読者のみなさんお元気でしたか。 私たち家族は住み慣れたボローニャから引っ越したり、息子が幼稚園に通い始めたり、いろいろと変化がありました。今は、ボローニャとヴェネチアの間にあるフェラーラという地方小都市に住んでいます。 旧市街はユネスコの世界文化遺産になっていて、そこに構えた新居はなんと15世紀(室町時代)末期の建物!文化財の指定を受けているため、売買契約が集結するのに一年と長丁場でした。 もちろん内部は改築を重ねていますが、ところどころに中世らしい名残が。絵本の背後に少し写っている白壁に交じった斑点も、その一つ。 でこぼこの漆喰壁に数々の補修跡、外壁も劣化して窓を開ける度に砂ぼこりが入り込む、変な虫がいる…など、古さゆえの不便もあるけど、新築物件では味わえない美しさに溢れています。 床の張替えなどだけ大工さんにお願いし、あとは自分たちで内装に手を加えました。真っ白だった空間に葡萄色とオリーブ色のペンキをあちこち塗ったので、家のテーマカラーになっています。バスルームのタイルもそれに合うものを生産地まで買い付けに行き、アンティークの建具はそのまま生かしました。 家の窓から見える景色も風情たっぷり。近所の教会の敷地内には、珍しく桜の木が。春にテラスからお花見するのが楽しみです。 さて、先月三歳の誕生日を迎えた息子はすっかりイタリア語が達者になりました。きっかけは幼稚園に通い始めたこと。「叔母ちゃんが買ってくれた赤いおもちゃの車はどこ?」とか、いつしか複雑な構文も口から出るように。「そんな言い回しどこで覚えたの?」とびっくりさせられることもしばしばです。 それに比べると日本語はまだまだ片言。こちらから日本語で話しかけても、返事は9割がたイタリア語なのがもどかしいところです。夫からも「もっと日本語を覚えさせないと」とプレッシャーをかけられることもありますが、日常生活で耳にする言語の比重が圧倒的にイタリア語なので仕方ありません。 発話はおぼつかずとも、こちらの言うことは理解しているから大丈夫、と気長に構え、今は日本語に触れさせる機会を増やすことは意識して続けています。読み聞かせも、絵本の言語に関わらず私からはだいたい日本語。平仮名の絵本なんかも開くようになりました。 そうこうするうち、彼の本への反応

絵本をめくりだした息子

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